看護業界にはさまざまな課題がありますが、その一つに人材不足の解消が挙げられます。高齢者の数は年々増加しており、人材不足が常態化している看護業界にとっては喫緊の課題です。需要と供給のバランスが傾き続けると、満足な医療サービスを提供することが難しくなり、現行の医療システムは遠からず破綻するのではないかと危ぶまれています。
高齢者数の増加は需要と供給のバランスを崩すだけでなく、人材不足解消を阻む要因の一つにもなっています。高齢者が増加すれば、労働力人口は自ずと少なくなってしまうことは避けられません。少子化問題という背景もあり、人口構成比に占める若年層の割合は減少し続けるため、労働力人口を短期間で大幅に増加させることは極めて困難だと言えます。こうした背景が、看護業界の人材不足解消をますます難しくしているのです。
とはいえ課題解決への道は、閉ざされてた訳ではありません。看護師は女性の比率が高い職業なので、結婚や出産を機に職を離れた人が数多くいます。そうした潜在看護師がもう一度活躍できる労働環境を整えることこそ、人材不足解消の第一歩です。潜在看護師は家庭との両立やブランクによる衰えを不安に感じている人も多く、働く意思があっても復職できないケースが多々あります。潜在看護師の不安を取り除こうと考えたとき、勤務時間に幅を持たせるフレックスタイム制の導入は有効な手立ての一つです。ブランクの克服には復職支援セミナーの充実、積極的な周知が効果的でしょう。