育児とプライベートの両立ができすに辞めてしまう看護師が多いことも人材不足に繋がります。看護業界には様々な課題がありますが、中でもワークライフバランスの問題は深刻です。仕事と家事や子育てを両立させることをワークライフバランスと言い、看護師はこのバランスをとることが難しいといわれています。

出産した女性看護師が復職したくても、育児をしながら夜勤のある病棟勤務をこなすことは難しいでしょう。したがって、産休を取って出産した後復職せずに離職してしまう看護師も少なくありません。いったん離職した看護師は、子育てが一段落した後も復職が困難だと言われています。なぜなら、長期間のブランクができてしまうと、臨床現場の医療技術が進歩していて従来のスキルでは対応できない場面が増えるからです。

こうして、看護業界は慢性的な人材不足に悩まされることになったと言っても過言ではないでしょう。看護師がワークライフバランスを保持しながら仕事ができるようにすることが、喫緊の課題なのです。看護師の子育てを支援するため、一部の医療施設は院内託児所を設けるようになりました。院内託児所は夜間も同じ施設に勤務する看護師の子どもを預かってくれるので、安心して夜勤に勤しむことができます。また、看護師のために病児託児所を設置する医療施設もあります。病児託児所では、一般的な保育施設では預かることができない病気の子どもを預かってくれます。こうした試みをする職場が増えれば、看護師がワークライフバランスの不備に悩まされることなく勤務することができるようになるでしょう。